家賃が払えない場合には、早めに対策を立てないと大変なことになります。
家賃は大家さんとの賃貸契約なので、破ると最悪の場合、住居から追い出されてしまうからです。
しかし、病気や失業などやむを得ない事情で家賃を払いたくても払えないという方もいるでしょう。
そんな場合には、条件を満たせば行政の給付金を利用することができます。
家賃を3ヶ月以上滞納すると、大家さんから訴えられて強制退去させられる可能性が高いです。
そのため、その前に早めに対策を立てることが大切になってきます。
家賃を滞納した場合に何が辛いかと言うと、次の家賃分まで貯まってしまうと倍々ゲームのように増えていき、余計に払えなくなってくること。
そうならない為に、まずはその場しのぎ、そして二度と同じことにならないように生活全般を見直すことが必要です。
そこで、どうしても家賃を払えない場合に利用できる行政の制度や、意外と知られていないお金を工面する方法を詳しく紹介するとともに、家賃を滞納すると、どのような流れで強制退去になるのかを分かりやすく解説していきましょう。
家賃が払えない時に起こるリスク
家賃が払えないと連帯保証人に迷惑をかけてしまったり、場合によっては強制退去になるなどのリスクがあります。
家賃は、住居を貸してもらうにあたって大家さんと賃貸契約をしているので、支払わないと契約違反です。
それでも、冠婚葬祭で急な出費が重なったり、失業や休職で収入がなくなってしまった場合には、家賃を支払うのが難しくなる場合もありますよね。
では、家賃が払えない時にどのようなリスクがあるのでしょうか。
- 信用情報に傷がつく
- 連帯保証人に迷惑をかける
- 遅延損害金が発生
- 保証会社が利用できなくなる
- 財産の差し押さえ
- 強制退去
家賃を支払わないと、上記のように色々なリスクがあります。順番に解説していきましょう。
家賃滞納だと信用情報に傷がつく場合もある

家賃を滞納すると信用情報に傷が付く場合があります。ただし、信用情報に傷がつくのは保証会社が信販会社(カード会社系等)だった場合です。
信販会社で保証会社の業務もやっている主な会社は以下の通りです。
- セディナ家賃決済サービス
- オリコフォレントインシュア
- JACCSセキュアレントシステム
- アプラス家賃サービス
- ライフカード株式会社
家賃を決まった期限までに払えないと、保証会社が代わりに家賃を大家さんに支払います。
これを『代位返済(だいいべんさい)』といい、代位返済がおこなわれると信販会社が保証会社の場合、信用情報機関(クレジットカードやローンの審査に使われる機関)に記録されるため、クレジットカードやローンの審査が厳しくなるのです。
連帯保証人に迷惑をかける
家賃が払えないと、連帯保証人になっている親族や友人に連絡がいき、連帯保証人の方が家賃の取り立てにあうケースもあります。
大家さんと賃貸契約をする際に、連帯保証人を立てていると、あなたが家賃を払えなくなった時に代わりに支払う義務が生じるからです。
家賃の保証人は『連帯保証人』となっている場合がほとんどなので、相手側はすぐに保証人に対して滞納分を請求する権利が生まれます。
「保証人に連絡しないでほしい!」
そう思う気持ちは誰でも持つと思いますが、連帯保証人の場合には通用しないので覚悟が必要です。
連帯保証人の方に迷惑や心配をかけてしまうことになり、信用を失う原因にもなりかねませんよ。
遅延損害金が発生
家賃を滞納した期間にもよりますが、家賃を決まった期日までに支払わないと、『遅延損害金』が発生します。
遅延損害金の利率は、大家さんや管理会社によって変わります。
- 契約書に記載がない場合:年5%
- 契約書に記載がある場合:記載されている利率(上限14.6%)
- 契約書に記載がなく大家さんが賃貸業をしている場合:年6%
特に注意しなければいけないのは、契約書に記載がある場合です。賃貸契約を結ぶ前に、「自分には関係ない」と思わずに、しっかり確認しておきましょう。
遅延損害金が発生すると、滞納した家賃+遅延損害金を支払う必要があるため、返済額が上がってしまいます。
保証会社が利用できなくなる
過去に家賃を滞納した履歴があると新しく家を借りる際に、保証会社の審査が厳しくなってしまうのです。
賃貸物件によって賃貸契約の条件は異なります。
- 連帯保証人か保証会社が付いていれば賃貸契約を結べる
- 保証会社が付いていることが賃貸契約の条件
- 連帯保証人と保証会社どちらも必要
色々な賃貸物件がありますが、保証会社を付けることが必須となっている物件も珍しくありません。
保証会社の審査が厳しくなると、借りられる賃貸物件の幅が狭くなってしまいます。
保証会社には、全国賃貸保証業協会(LICC・リック)に加盟しているところもあり、LICCには、代位返済や滞納に関する情報が記録されているため、過去に不利な記録があると審査に落とされる可能性が高くなってしまうのです。
財産の差し押さえ

家賃を長期間滞納していると、財産の差し押さえを受けることがあります。大家さんは給料の手取り額の4分1まで法的に差し押さえることが可能です。
ただし、財産の差し押さえは、裁判で認められた後なので、家賃が払えなかったからといっていきなり差し押さえられるわけではありません。
自宅に財産があればどんなものでも、差し押さえの対象となりますが、生活に最低限必要なもの(衣類や家具など)は除外されます。
場合によっては、連帯保証人の財産の差し押さえられる場合もあるため、ここまで行く前に、対策を立てて返済するようにしましょう。
強制退去になる可能性も
一般的に家賃の滞納が3ヶ月以上になると、大家さんから『明け渡し請求』の裁判を起こされる可能性が高くなります。
明け渡し請求とは、住居から直ちに退去するよう要求することです。
家賃を払っていない場合は、裁判で勝つことはできないため自主的に退去するか、そのまま居座っていても、強制退去(強制執行)といい強制的に家から追い出されてしまいます。
家財道具なども外に出されてしまうため、かなり厳しい状況です。
強制退去になることがないよう、家賃を払えない場合には、大家さんか保証会社が早めに連絡して支払う意思があることを伝えましょう。
家賃が払えず滞納してから強制退去になるまでの流れ
家賃を払えない場合には、一般的に約3ヶ月で大家さんから『明け渡し請求』の裁判を起こされ、強制退去となってしまいます。
強制退去となると住居から追い出されてしまうため、住所がなくなり仕事にも差し支えるため、絶対に避けたい事態ですね。
家賃の支払いが1ヶ月遅れて、すぐ強制退去とはなりません。しかし、3ヶ月以上家賃を滞納している場合は、強制退去させられてしまうケースがあります。
家賃滞納から強制退去になるまでの流れは以下の通りです。
- 大家さんか管理会社から催促の連絡がある
- 督促状が送られてくる
- 保証会社・連帯保証人への連絡がある
- 明け渡し請求の裁判が行われる
- 強制退去となる
それでは、順番に強制退去までの流れを解説していきましょう!
大家さんか管理会社から催促の連絡がある
家賃の支払い日に、家賃を支払わないと数日で大家さんか管理会社から連絡があります。
家賃の支払いは、銀行引き落としや銀行振込、もしくはクレジットカード払いにしている方がほとんどでしょう。
銀行の残高不足やカードの利用可能額不足で、家賃が引き落とせないとまずは大家さんか管理会社からあなたに連絡があります。
支払うお金があるのであれば、この段階ですぐに家賃を払いましょう。
何度も繰り返している場合は別ですが、1回であればそれ以上問題が大きくならずに済む場合が多いです。
家賃を滞納すると督促状が送られてくる
大家さん・管理会社から催促の連絡があっても家賃を支払わないでいると、督促状が送られてきます。
督促状は『内容証明郵便』で送られてくることが多いです。
相手に伝えた内容や日時が記録として残り、後日裁判で証明として使える郵便物。内容証明郵便は通常の郵便と違い、郵便局に送った内容と日時が記録として残るため、後から「そんなものは送られてきていない』と言い逃れすることができません。
そのため、内容証明郵便が送られてきたら、すぐに中身を確認してください。
具体的に「未払いの家賃を◯月◯日に支払わない場合、退去してください」などと書かれている場合もあるからです。
内容証明郵便は裁判で証拠として採用されるため、異論がある場合にはすぐに大家さんと話し合わないと、後々、裁判を起こされた際に不利になります。
保証会社・連帯保証人へも催促の連絡をされる

督促状が送られてきても、家賃を支払わないでいると、保証会社もしくは連帯保証人に大家さんや管理会社から連絡がいき、家賃の代位返済を請求されます。
大家さん・保証会社からの取り立てが連帯保証人にも行われる場合も珍しくありません。
連帯保証人には、法律上あなたと同じように滞納した家賃を支払う義務があるため、もうあなただけの問題ではなくなります。
保証会社しか立てていない場合は、保証会社から厳しい取り立てが行われる場合もあるので注意してください。
明け渡し請求の裁判が行われる

一般的に3ヶ月以上家賃を滞納し続けると、大家さんから明け渡し請求の訴訟を起こされます。
裁判所からあなたのところに、訴訟を起こされたという通知がいきます。
裁判では、借り主が3ヶ月以上家賃を滞納している場合、契約がすでに破綻しているとみなされてしまい、数日で契約解除が認められてしまうケースがほとんどです。
その後、賃貸物件の明け渡し請求が行われます。
強制退去となる
大家さんから明け渡し請求の訴訟を起こされ、裁判であなたの敗訴が確定すると、あなたに裁判所の執行官から『明け渡し勧告』という通知がきます。
それでも自主的に退去しないと、裁判所の職員立会いのもと強制退去となるのです。
強制退去となると、住居の中のものは全て外に出されてしまいます。そして、もう住居に入ることはできません。
住むところがなくなってしまうのも大変ですが、住所がなくなってしまうため、次に住む家や仕事を探すことも困難になってしまうのです。
働いている場合も、仕事に行くのはもちろん、会社に提出する書類(年末調整など)に住所が書けないなどの弊害が起こります。強制退去はなんとしてでも避けたい事態です。
また、強制退去となった後も滞納した家賃と遅延損害金の支払いを求められます。
家賃を含めた遅延損害金が払えない場合は、財産(給与、ブランド品など)を差し押さえられてしまうのです。
強制退去となると生活を立て直すのが非常に難しくなります。強制退去とならないよう、早い段階から対策を立てることが必要です。
家賃が払えない時の対処法
家賃がどうしても払えない場合には、大家さんや管理会社に相談する、生活困窮者自立支援制度などの行政の制度を利用、カードローンで一時的にお金を借りるなどの方法があります。
家賃がどうしても支払えない場合には、以下のような方法や制度を利用しましょう。
- 大家さんや管理会社に連絡
- 連帯保証人に連絡
- 親族や友人にお金を借りる
- 失業手当(雇用保険)
- 職業訓練受講給付金(求職者支援制度)
- 生活困窮者自立支援制度(住居確保給付金)
- 保険の解約返戻金を利用
- カードローンを利用
- クレジットカードのキャッシング
- 法テラスで相談する
それでは、順番に家賃が払えないときの対処法を解説していきましょう!
まずは大家さんや管理会社に連絡

家賃は家を借りる上での大家さんとの契約ですので、必ず支払うことが必要です。
しかし、病気や失業、収入が減ったなどの事情でやむを得ず払えない場合もあるでしょう。
あらかじめ期限までに家賃が支払えないことが分かっているなら、事前に大家さんや管理会社に連絡しておくことが大切です。
大家さん・管理会社に連絡する際のポイントは以下の通りです。
- 家賃の支払い期限前に連絡する
- 家賃を払う意志があることを伝える
- いつまでに支払うのか明言する
- 無理な返済計画を自分から言わない
相手も人間なので、同じ滞納でも事前に連絡してもらった方が心象は良くなります。
そして、現在の状況を説明し、いつまでに支払えるのか正直に伝えてください。この時には、無理をせず確実に支払える日時を言いましょう。
大切なのは、支払う意思があることを相手に伝えること。
動揺して払えもしない日時に支払うと言ってしまうと、支払えずに結局信頼を失ってしまうため意味がありません。
大家さんによっては、支払いを待ってもらえたり、未払い分の家賃を分割にしてくれる場合もあるため、まずは連絡しましょう。
連帯保証人に連絡

連帯保証人にもあなたが家賃を払えないことを早めに連絡しましょう。
連帯保証人は、あなたと同じように家賃を払う義務があるため、家賃を滞納すると連帯保証人の方にも連絡がいき、家賃の請求が大家さんから行われます。
家賃を払えない場合には、なるべく早めに連帯保証人の方に連絡し、現在の状況を嘘偽りなく話してください。
連帯保証人の方はあなたを信頼して連帯保証人になってくれているのですから、信頼関係をなるべく損なわないよう事前に連絡するのが礼儀です。
連帯保証人の方に金銭的余裕がある場合には、お金を借りられないか相談してみるのも1つの方法でしょう。
親族や親しい友人にお金を借りる
親族や親しい友人にお金を借りるという方法もあります。
ただし、失業していたり、病気で休業している場合には、すぐに返すことができないため、できれば親や兄弟など肉親から借りるのがベストでしょう。
友人からお金を借りてトラブルになると、後から関係修復が難しく、友人を失ってしまうリスクもあります。
肉親からお金を借りるのには抵抗があるかもしれません。しかし、家賃を滞納し続けて強制退去となると、生活を立て直すことは非常に難しいです。
早めの段階で、肉親に頼れるなら頼りましょう。
失業手当(雇用保険)を申請する
会社を退職、もしくは解雇された場合には失業手当の申請をすることで、給与の何割かを国からもらうことができます。
雇用保険の加入は会社の義務です。
※1週間の労働時間が20時間以上、31日以上の雇用見込みがある場合
しかし、自己都合で退職した場合と会社都合の場合は、失業手当を受ける条件が以下のように異なります。
退職理由 | 受給条件 |
---|---|
自己都合 (正当な理由なし) | ・離職日前の2年間に、被保険者期間が1年以上ある ・ハローワークに離職票提出と求職申込みしている ・待機期間7日間+3ヶ月後に支給される |
自己都合 (正当な利用有り/病気や怪我など) | ・離職日前の1年間に、被保険者期間が6ヶ月以上ある ・ハローワークに離職票提出と求職申込みしている ・待機期間7日間後から支給される |
会社都合 (解雇、倒産、契約打ち切りなど) | ・離職日前の1年間に、被保険者期間が6ヶ月以上ある ・ハローワークに離職票提出と求職申込みしている ・待機期間7日間後から支給される |
上記に当てはまらない場合 (定年退職、契約期間満了など) | ・離職日前の2年間に、被保険者期間が1年以上ある ・ハローワークに離職票提出と求職申込みしている ・待機期間7日間後から支給される |
会社を退職・解雇、もしくはやむを得ない事情で退職した場合は、離職票を持ってすぐにハローワークに求職手続きすることで、7日後から失業手当を受けることができます。
自己都合で正当な利用がない場合(転職のためなど)は、早くても3ヶ月と7日後の給付となるため注意しましょう。
失業手当の金額は年齢や勤続年数によって変わりますが、もらっていた給与の4割~8割程度です。
職業訓練受講給付金(求職者支援制度)を利用する
退職もしくは失業し、失業手当がもらえない場合でも、以下の条件に当てはまれば職業訓練を受けている間、月額10万円の職業訓練受講給付金を受給することができます。
- ハローワークに求職の申し込みをしている
- 雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でない
- 働く意思と能力がある
- 支援を行うことをハローワークが認めた場合
- 本人の収入が8万円以下
- 世帯全員の収入が25万円以下
- 世帯全員の金融資産が300万円以下
- 現在住んでいるところ以外に土地や建物を所有していない
- 訓練実施日に全て参加
- 世帯の中に職業訓練受講給付金を受けている人がいない
職業訓練受講給付金とは、ハローワークの定める職業訓練を受けることで毎月10万円の給付金と、職業訓練機関までの交通費が支給される制度です。
申込みの窓口はハローワークですので、求職の申込みをした後に受講手続きを済ませましょう。
面接と選考がありますが、それほど難しいものではありません。
複数のコース(職業訓練の内容)があるため自分に合ったコースを受講して、給付金をもらいながら仕事を探すことができます(※テキストや授業料は無料)。
職業訓練中でも、仕事の面接などやむを得ない事情で欠席することが可能です。
ただし、やむを得ない場合でも、全体の8割以上の出席がなければ給付金を受け取れないので、きちんと職業訓練に出席することが必要となります。
月10万円では生活費が足りない場合には、労働金庫(ろうきん)の融資制度を利用することも可能です。
融資の上限は以下のようになります。
- 同居配偶者がいる場合:月10万円
- 同居配偶者がいない場合:月5万円
融資を受ける際には審査があるため必ず借りられるというわけではありません。
また、年3%の利子も付きます。もちろん融資を受けるかは任意なので、必要な場合のみ利用しましょう。
生活困窮者自立支援制度(住居確保給付金)を利用する
離職が原因で住居を失う恐れがある場合に、利用できる生活困窮者自立支援制度(住居確保給付金)という制度があります。
住宅確保給付金は、条件はありますが給付金なので返す必要はありません。
住宅確保給付金を受ける条件は以下の通りです。
- 65歳未満で退職後2年以内である
- 離職する前に、生計を主に維持していた
- ハローワークに求職の申込みをしている
- 国の雇用施策による給付を受けていない
- ハローワークや自治体で就職活動の支援を受けている
この制度が優れている点は、家賃を滞納しているかは条件に含まれていないという点です。
たとえ家賃を滞納していても、条件を満たせば問題なく受給できます。
他にも収入や資産の条件がありますが、住んでいる市町村により変わるため、お住まいの市町村の自立相談支援機関に相談してみましょう。
相談窓口はこちら⇒自立相談支援機関窓口情報
審査はありますが、審査を通過すれば各市役所が定める賃貸住宅の家賃額(上限あり)が、最大9ヶ月まで支給されます。
保険の解約返戻金を利用
保険によっては、解約すると『解約返戻金(かいやくへんれいきん)』といって、今まで支払った金額が一部返ってくるものがあります。
生命保険などの積立て型保険に入っている場合、解約返戻金があるものが多いです。
- 解約返戻金:保険を解約すると戻ってくるお金のこと
保険の種類や契約内容によって、返ってくる金額は違います。
中には解約返戻金がないものもありますので、解約する前に保険会社に連絡して「どれくらいお金が返ってくるのか」必ず確認してください。
解約返戻金が多い保険に入っていれば、保険を解約して戻ってきたお金で家賃を支払いましょう。
保険会社にもよりますが、早くても解約返戻金があなたの銀行口座に振り込まれるまで1週間程度かかるため、早めに保険会社に確認することが大切です。
また、保険を解約してしまうと、万が一の保証がなくなってしまうため、他に家賃の支払いに利用できる制度や方法がないか、じっくり考えてから解約するか決めましょう。
カードローンを利用
カードローンで一時的に資金を借りて、家賃の支払いをするという方法もあります。
しかし、カードローンを利用する際には以下の点に注意してください。
- カードローンにも審査がある
- 複数のカードローン会社に同時に申し込まない
- 総量規制に引っかかる場合は借り入れできない
- 返済できるかどうかしっかり計算する
- 金利が安いところを選ぶ
カードローンにも審査があるため、審査を通過しなければお金を借りることはできません。
会社を退職した場合などは収入がないため、審査を通過するのが厳しくなります。
また、審査に受かるか分からないからといって複数のカードローンに申し込むのも、審査が厳しくなる原因です。
カードローン会社へ申込みをしたという情報は、信用情報機関という機関で共有されているため、他のカードローンへあなたが申し込んでいると、審査の際に不利になる場合があります。
総量規制というのは、年収の3分の1までしか貸金業者からお金を借りられないという国の制度です。
年収の3分の1以上の借り入れは基本的にできません。
しかし、銀行のカードローンは総量規制の対象外となっているため、年収の3分の1以上借りられる場合もあります。
カードローンは、必ず返済しなければいけないものなので、安易に借りることなく「毎月いくら返済して、いつ完済するのか』しっかり把握し、自分が返済できる範囲で借りましょう。
カードローン会社の金利も実質年率が最高9~18%とさまざまです。
「自分が必要な金額を借りると、返済総額がいくらになるのか」を複数のカードローン会社で比較して、なるべく返済総額(借入額+利息)が安いところを利用してください。
クレジットカードのキャッシング
クレジットカードのキャッシングで一時的にお金を借りて家賃を支払うという方法もあります。
クレジットカードのキャッシングを利用する際には以下の点に注意してください。
- カードローンに比べて金利が高い
- 総量規制の対象なので年収の3分1までしか借りられない
- 借り過ぎやすい
お持ちのクレジットカードにキャッシング枠が付いている場合、キャッシングを利用することもできます。
しかし、クレジットカードの金利は実質年率が15~18%とカードローンに比べると高いです。
クレジットカードのキャッシングは総量規制の対象なので、年収の3分1以上は借りることができません。
また、キャッシングは、クレジットカードがあればATMで手軽に借りることができるため、借り過ぎに注意しましょう。
法テラスで相談する

家賃が払えないことで、大家さんや管理会社とトラブルになっていたり、困った時に利用できる行政の制度を知りたい場合には、収入などの条件を満たせば法テラスで3回まで、無料で弁護士に相談することができます。
収入などの条件はありますが、無料で弁護士さんに相談できるのは心強いです。
もし、収入が少なく、上記のような方法を使ってもどうしても家賃が払えないという場合には、法テラスで一度相談してみましょう。
家賃が払えなくなる前に固定費などを見直そう!
家賃が払えなくなってしまうと、自分だけでなく連帯保証人の方にも迷惑をかけてしまいます。
最悪、強制退去になると、生活の再建が厳しくなるため、家賃が払えなくなる前に「お金が足りない」と思ったら固定費(毎月必ず支払うお金)などを見直しましょう。
家賃を滞納する、もしくはしそうなのは今回が初めてでしょうか?
特別な事情がない中、何度も経験があるなら、お金の使い方にも問題があると言えます。
簡単に毎月の生活費を節約するには、以下のような方法があります。
- 固定・携帯電話料金のプランの見直し
- 格安スマホの利用
- ガス・電力会社を同じ会社にして割引してもらう
- 供給電力のアンペアを下げる
- 食料はまとめ買いをして無駄遣いを減らす
- 外食の回数を減らし自炊する
- 保険の見直し
- 利用するガソリンスタンドを決めて、お得になるカードを作る
- 家計簿をつけて、毎月の出費を管理
固定電話・携帯電話料金は、定期的にプランを見直すことで安く抑えることができます。
今は格安スマホや格安SIMも機能が充実しているため、生活が苦しい場合には利用しましょう。
他にも、外食を減らして食費を浮かせるなど、毎月の固定費を下げる方法は多いため、まずは、簡単に手を付けられるところから初めてください。
家賃が払えなくなる前に家賃が適正か見直そう!
家賃は毎月必ず支払わなければいけないものなので、あなたの収入に見合った賃貸物件を借りるようにしましょう。
家賃が払えなくなると金銭的にもそうですが、精神的にも圧迫されて合理的な判断が取れなくなってしまう場合もあります。
家賃を払えない場合には、大家さんもしくは管理会社に前もって正直に事情を説明し、支払う意思を伝えることが大切です。
家賃を3ヶ月以上滞納すると、強制退去となる可能性が非常に高く、住所を失うと生活を立て直すのは非常に困難になります。
家賃が払えない場合には、国の制度を利用するか、親族に相談するなど早め早めに対策をしてください。
現状ですでに生活が苦しい場合には、先のことを考えてもっと家賃が安い物件に引っ越しましょう。